日本でとった特許は外国でも有効でしょうか? | 特許申請・出願の無料相談|至誠(しせい)国際特許事務所
         

日本でとった特許は外国でも有効でしょうか?

<下記インタヴュー内容>

日本で取得した特許の効力というのは、日本国にしか及びません。日本国ということは、日本の領土・領海・領空、この範囲にしか及ばないということになります。したがって、例えば中国での権利を持ちたい、日本国以外でも権利を持ちたいという場合には、その国に出願をして、その国で権利を取得することが必要になってまいります。

これはなぜかと言いますと、国際公法上、属地主義という考え方がございまして、ある国の権利というのはある国にしか及ばない。例えばアメリカ合衆国の憲法はアメリカ合衆国にしか及ばないわけです。当然日本国の民法はアメリカ合衆国には及びません。

国際法という考え方もありますけれども、これは、国際的な関係をどういうふうにするか、ということを規制したものであって、いわゆる国際的な法律、そういう面での法律です。あくまでも各国の法律の考え方は属地主義でございます。ですから、もし外国でも権利がほしいという場合には、その国ごとに権利を持っておく必要がございます。

国ごとで、例えば、アメリカで権利がほしい、欧州で権利がほしい、中国で権利が欲しいと言いますと、日本とアメリカと欧州と中国、4カ国に出願することが必要になってまいります。

この4カ国に出願することが煩雑ですので、これを一回にまとめようという考え方があります。特許のほうではこれがPCTという考え方になります。これは、一回の手続きで世界でPCTの加盟国、約200カ国弱なんですけれども、そこに潜在的に出願したものと同一の効果を生ずるものとみなす出願になります。それで、出願から30カ月以内、出願日から30カ月以内に、実際に私はアメリカで権利を取りたい、欧州で権利を取りたい、中国で権利を取りたい、という場合には、それぞれの国へ出願をするという手続きを取ることができます。

ということは、出願から30カ月の間、どの国で権利化するかということを、ゆっくりと検討することが可能になりますので、ご自分のビジネスの当該発明の関連のビジネスとの関係をよくにらんで、「これだったらアメリカでいけそうだな」とか、「これはぜひ中国の市場を獲っておきたい」、そういったことをよく検討していただいて、具体的な権利化に進んでいく。こういうことがPCT制度の下では可能になってまいります。

ですから、初期費用を削減して有効に時間を稼ぎながら、効果的な権利化を図ろうとする場合、しかも多数国で権利化をしたいという場合には、PCTという制度をご利用されることが非常に有効となります。

 


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