当所は「中小零細企業支援」を事業方針として前面に打ち出している数少ない特許事務所です。
日本の産業構造は、99%以上の中小零細企業と極めて少数の大企業から成立しており、実質的に日本経済を支えているのは中小零細企業です。一方、特許出願件数では87%が大企業によるもので中小零細企業はごくわずかです。
これが現在の日本における産業界における知的財産保護の現状を物語っており、日本の経済構造を支えている中小零細企業の知財保護が立ち遅れております。このままでは、中小零細企業のアイデア、工夫、知的財産が模倣にさらされ、中小零細企業の弱体化を招き、日本経済低迷につながりになりかねません。
このような「中小企業の知財保護の遅れ」の原因は、行政側の支援が未だ適切ではないことにも原因がありますが、最大の原因は、今まで、大企業を顧客と捉え、主に大企業との関係で事業を行ってきた弁理士の側にもあるものと考えております。
私は今までの30年に及ぶ弁理士人生の中で、大企業のお客様とのお付き合いにおいて様々なことを教えていただき今があります。しかしながら、先年、上記の点を認識し、私共の事務所の基本方針として「中小零細企業支援」を掲げるに至ったものです。
特許事務所側から見た場合、大企業のお客様との仕事のさせていただき方と中小零細企業、個人のお客様との仕事の仕事のさせていただき方は全く異なります。
この点が多くの弁理士が大企業顧客を求める一つの理由でもあると考えられますが、当所では設立後15年間の中小零細企業、個人のお客様とのお付き合いを通じ、様々な勉強をさせていただき、多様な「中小企業のお客様のご支援のノウハウ」ともいうべきものを蓄積させていただいてきております。私の経験ではこのノウハウは大企業とのお付き合いの中では培うことは難しいと考えております。
残念ながら「中小企業支援」を本格的に事業として行っている特許事務所は未だ多くはありません。当所は、経営理念を「思いやりと誠実さに溢れた知財に関する専門集団として中小零細企業をご支援させていただき日本経済の発展に寄与する」と掲げさせていただいており、このミッション達成のために至誠を尽くし、向こう100年に亘り継続できる特許事務所を目指しております。
御社のビジネスのお手伝いをさせていただくことを心よりお待ち申し上げております。
平成29年8月吉日