米国出願の注意点

①新規性

日本出願の公開後1年以内であれば審査で新規性の喪失とはみなされない(米国特許法102条B項)。

②宣誓書

米国実務上、非常に重要な書類です。必ず、発明者が内容を確認して自筆によるサインが必要です。宣誓書の記載不備を理由に特許が無効となる可能性があるので注意が必要。

③IDS(情報開示書)

出願後、できれば3月以内に、発明者が認識している先行技術文献を特許庁に提出する必要があります。この書類提出は、施行規則により法的な義務となっており、特許発行までに対応外国出願に関し、発行された調査報告書(PCT・EPC)、拒絶理由通知に記載されている文献等の提出が必要となります。
これも非常に重要な事項で、紛争事件が発生し、不提出に関し故意、重過失が認定された場合には、特許無効の可能性があります。

④発明の単一性

非常に狭く、日本では一出願として容認されている「物と製法」の場合、必ず「限定要求」が出され、「物」か「方法」かに、審査対象を選択する必要があります。
なお、選択しなかった発明については、分割出願で対応することができます。

⑤ファイナルアクションへの対応

日本特許実務と略同じですが、RCE(再審査請求制度)を利用することにより、「最終拒絶」状態を回避でき補正の範囲を拡大することができる点で大きく異なります。日本の場合には、米国の「最終拒絶」に相当する「拒絶査定」に対しては審判請求しか方法がありません。また、RCEには回数制限がないことから出願人にとっては便利な制度です。

尚、中小企業独自の目線から生み出された僅かな改良発明等について、
特許権を取得できることも多いですので、ぜひ一度ご相談下さい。

著者

所長弁理士 木村高明

所長弁理士 木村高明

所長弁理士

専門分野:知財保護による中小企業(SMEs)支援。特に、内外での権利取得、紛争事件解決に長年のキャリア。

製造会社勤務の後、知財業界に転じ弁理士登録(登録番号8902)。小規模事務所、中規模事務所にて大企業の特許権利化にまい進し2002年に独立。2012年に事務所名称を「依頼人に至誠を尽くす」べく「至誠国際特許事務所」に変更。「知財保護による中小企業・個人支援」を事業理念として現在に至る。事務所勤務時には外国業務担当パートナー。日本弁理士会・国際活動センター元副センター長。国際会議への出席多数。


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