出願「プレス製作したスペーサーナット」事件

状況

この事件の依頼人は、プレス会社の社長さんで、小さな町工場を経営されているプレスの名人でした。
依頼案件は、パソコン等の筐体に使用する「スペーサナット」で、従来、切削して作っていたものをプレス成型で作った、というものでした。
「スペーサナット」にの形状も構造も従来と全く変わらず、単に、プレスでやったら出来たというものです。
今まではプレスで製作する、という手法はなかったことから、この点を特許で保護できないか、というご依頼でした。

当事務所からの提案&お手伝い

これが発明として保護されるか否か、に関し、当時、私自身も自信がなかったものでしたが、「切削して作るよりも当然ながらコストが非常に安い。
これをプレスで作ることは私しかできない」という点が明確であったことから、コスト低減点を強調して明細書を作成し出願しました。

結果

3回、進歩性欠如による拒絶理由通知が出され、その都度、反論をしましたが、認められず拒絶査定となりました。
苦戦は予想しておりましたが、出願人の方は非常に不服であり、不服審判を請求して権利化を争うこととなりました。
ここまで権利化に至らなかった事情と理由を出願人の方によくご説明し、打開の方策を考え、「面談」を行うこととしました。面談の作戦を立て、発明者である社長に、本件製品の優秀性を徹底的に製品を持ち込んでアピールしてもらうこととし、面談当日は持ち時間1時間の内、9割は社長のプレゼンを行ってもらいました。
その熱意に押されたのか、陪席の審判官が「私はこのレベルであれば中小企業であるので特許を認めてあげてもよいと思うな」ということをつぶやかれました。
これを聞いた時に「やった」と思いました。このような経過でめでたく特許になりました。

ポイント

この事件の教訓は、進歩性の基準には、大企業向けの進歩性の基準と中小企業向けの基準が事実上ある、ということです。

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