外国出願の進め方 | 特許申請・出願の無料相談|至誠(しせい)国際特許事務所

外国出願の進め方

特許 外国出願の進め方

外国出願にはお金がかかります。

大まかに言うと、大体、日本での特許化には70万円~140万円程度かかり、外国でもその国での費用にはその程度の費用が発生し、かつ、日本側代理人(特許事務所)も関与することからこれにさらに日本側特許事務所費用が追加されます。従って、大まかに言って、一か国200万円程度の費用が発生する、と見ておくことが必要です。もし、各国特許庁の審査が長くなり、何度も拒絶通知が発せられるとなるとさらに費用が嵩みます。

 全てビジネスはお金で動かすことですので、「外国でも特許を取りたい」という場合でも、このような事情を考慮して外国出願を考えることが必要です。この観点からは以下の点に留意して外国出願を準備し、進めることが重要です。

1.権利化国を決める

 この場合の考え方の指針は、その発明品を事業化して販売する予定国を基準に考えます。

米国、中国で販売したい、という場合には、米国、中国での特許化が必要になります。

また、製造は中国で行い、米国、アジアで販売する、ということもあると思います。この場合、「製造国」は絶対に特許を取得しなければならない国ではありません。理由は、多くの侵害事件は「販売」を問題とするからです。中国で製造しかつ販売する、という場合には、特許で守る必要がありますが、製造のみでは中国市場は問題とはならないので、中国企業が特に製造行為を問題とする可能性は低いといえます。但し、特許を取得しておくには越したことはありません。

2.助成金の利用

 各政府機関、これに準じる各種公的機関が「外国出願助成金」制度を持っております。

例えば、「東京都外国出願助成金」、「JETRO外国出願助成金」が有名です。また、各政府機関が「中小企業支援」の観点から、「外国での権利化」に関する助成金を含んだ助成金を準備しております。中には、非常に厳しい審査、事後報告が必要な助成金もありますが、よく検討された上で、これらの利用することをお勧めします。当所においても長年の支援経験がありますので、ご相談をいただければご支援は可能です。

3.特許事務所を選択する

 これは特許事務所にご相談をすることが必要です。一応、「国際特許事務所」という名称が付いている特許事務所は外国出願に対応できると思われますが、各特許事務所により経験の蓄積、熟練度には大きな開きがあります。

先ず、外国出願では「日本では想定できない事態」の発生があることを覚悟しておく必要があります。やはり、海外旅行と同じで、知らない外国でのビジネスなので「想定外の事態」もあります。これに柔軟に対応して乗り越え、特許、商標登録を獲得する必要があります。特に、外国特許庁の考え方(特に、特許の場合の「進歩性」、商標の場合の「類似判断」、「指定商品」等)は日本と諸外国とでは異なります。

従って、日本の特許庁の審査実務に精通していても、外国の特許庁の思考、考え方はやはり日本特許庁とは異なることの方が多いと思ておくこ必要があります。従って、「想定外」の事態は多発すると思っておくことが必要です。

これを乗り越えていく必要があるのですが、そのためには、「その国の弁理士、弁護士、特許事務所と力を合わせる」ことが絶対に必要となります。即ち、日本弁理士・特許事務所は外国弁理士・特許事務所と一体となって権利化を進めることが絶対に必要です。

この観点からすると、日本の特許事務所・弁理士に要求される能力は、「外国弁理士に対するリーダーシップを発揮できること」です。即ち、外国特許事務所・弁理士に全て任せてしまうのではなく、「外国弁理士を上手く使い(リードして指示を出し)、顧客を守る力」です。

逆にいうと、この点が、日本弁理士・特許事務所側にとって、外国業務を行う場合の非常に難しいところです。そのために日本側弁理士に要求されるのは、特許事務所(弁理士を含め外国担当者)全体の(読み、書き、話の)語学能力、外国特許事務所とのコミュニケーション能力、外国弁理士と交渉する交渉力、外国法制度の知識、外国情報収集能力です。

これらを考えると、外国業務を適切に行うため日本弁理士、日本特許事務所に対して要求される能力は非常に高いものがあると言わざるえません。従って、依頼人様側、顧客様側は、これらの能力をその特許事務所が有しているか否か、を見極めることが必要とある、ということになります。ともかく権利化の成否は、内外の代理人(弁理士・特許事務所)にかかっていると言っても過言ではありません。

4.海外弁理士の選択

 これは日本弁理士の仕事なのですが、特許化を予定する外国で、どの弁理士・特許事務所と提携するか、は非常に大きな問題です。やはり、依頼する弁理士、特許事務所によってその後の運命は多く変わることになるからです。

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著者

所長弁理士 木村高明

所長弁理士 木村高明

所長弁理士

専門分野:知財保護による中小企業(SMEs)支援。特に、内外での権利取得、紛争事件解決に長年のキャリア。

製造会社勤務の後、知財業界に転じ弁理士登録(登録番号8902)。小規模事務所、中規模事務所にて大企業の特許権利化にまい進し2002年に独立。2012年に事務所名称を「依頼人に至誠を尽くす」べく「至誠国際特許事務所」に変更。「知財保護による中小企業・個人支援」を事業理念として現在に至る。事務所勤務時には外国業務担当パートナー。日本弁理士会・国際活動センター元副センター長。国際会議への出席多数。


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