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WIPOについて

SPLT(実体特許法条約)

本年(平成20年6月)「特許実体ハーモ」に関する議論が、3年間の議論のスタック状況から復活しSCP(特許常設委員会)で再開しました。
但し、会議の現場の雰囲気からして、WIPOでは、南北問題から先進国側の切実な事情(特許庁の多数の未審査案件)の解消に向けた条約成立は困難と思われます。

先進国側のみで構成する「B+会合」でのハーモ(ハーモナイゼーション)条約の成立が現実的と思われます。

PCT(特許協力条約)

PCT改正に伴う「PCTリフォーム」会合は一段落しましたが、「PCT国際調査の質の向上」に関する議論が開始されました。
PCTは、多数国で特許を権利化する場合に手続の一本化を図れるという観点から非常に便利な制度であります。

頻繁に改正を重ねてきていることから、非常に充実した制度となっておりますが、未だに、未整備も部分もあります。
その最たる点が「国際調査報告」の質の向上です。

現在、国際調査機関は複数あり、国際調査機関で作成した国際調査報告を信頼して国内係属を行った場合に、調査報告に反する審査結果がでてきた、という悲劇的事態から出願人を救済する必要があり、より信頼性のある均質な国際調査報告の作成は非常に重要な問題です。

南北問題

Trips時代の対米国との関係で発生した、先進国と途上国側との間の問題点をいまだ引きずっております。
途上国側には、反Trips、反先進国、反グローバリズム、反独占の構図があります。

WIPOでの議論の現場では、上記感情をそのまま引きずっており、途上国側に先進国への被害者意識が大きいことが切々と伝わってまいります。

上記観点から「遺伝子資源原産地表示問題」が4年前から実体特許ハーモの議論の場で出始め、「反ハーモ」(先進国側の観点からの条約成立に反対)の立場を途上国側が取り続け、議場における実質的な議論が完全に停止した経緯があります。

尚、中小企業独自の目線から生み出された僅かな改良発明等について、
特許権を取得できることも多いですので、ぜひ一度ご相談下さい。

著者

所長弁理士 木村高明

所長弁理士 木村高明

所長弁理士

専門分野:知財保護による中小企業(SMEs)支援。特に、内外での権利取得、紛争事件解決に長年のキャリア。

製造会社勤務の後、知財業界に転じ弁理士登録(登録番号8902)。小規模事務所、中規模事務所にて大企業の特許権利化にまい進し2002年に独立。2012年に事務所名称を「依頼人に至誠を尽くす」べく「至誠国際特許事務所」に変更。「知財保護による中小企業・個人支援」を事業理念として現在に至る。事務所勤務時には外国業務担当パートナー。日本弁理士会・国際活動センター元副センター長。国際会議への出席多数。


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