特許の出願を考えている人向け
実用新案制度(2)
実用新案登録制度について
「特許制度」の他に「実用新案登録制度」がある。実用新案登録制度とは、一言で言うと、「小発明」を保護する制度である。「実用新案登録制度」が存在する国は、限られており、日本、中国、韓国、ドイツ、ロシア、スペイン、オーストラリア等である。利用率は日本、ドイツは高くないが、中国では非常な伸びを示している。日本では大企業はほとんど実用新案制度を使わないが、中小企業の
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特許審査と審判の関係
審査段階と審判段階
特許制度には審査段階と審判段階がある。「審査での判断を再度審判で審理する」という思想は世界共通である。しかしながら、実際の運用面では、特に、審査で最終拒絶された場合に、審判が果たす役割が微妙に相違している点に留意を要する。
米国の場合には、審査で最終拒絶となった場合、米国弁護士に相談すると、概ね「継続出願」(RCE:Request of Continued
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経験豊富な弁理士が解説-日本における「色彩(一色)のみの商標」の取扱-
-日本特許庁・ルブタン事件の進展-
2017年4月1日より、法改正によって日本でも色彩のみからなる商標の登録されるようになった。これにより欧米と同様に日本でも色彩のみにより構成された商標の登録例が増加しつつある。日本特許庁には、2020年現在、104件の「色彩のみの商標」の登録がある。但し、日本では「複数色の色彩の商標」は登録されているが、未だ「一色のみの商標」の登録例はない。
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弁護士と弁理士の関係
日本で自分の知財をビジネス上適格に守るためには
-日本での弁護士と弁理士の関係-
各国で、弁護士と弁理士との関係は、国毎に異なる。従って、その国で適切な知財保護を得ようと外国人が考えた場合、先ず、その国での弁護士と弁理士の制度上の関係性、及び実情を事前に確認しておくことが肝要である。
その国で、どの資格を有する代理人に依頼するか、かつ、その資格者の中でも誰に依頼するか
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紛争事件と「記載要件」
-登録無効審判・知財高裁の「記載要件」での攻防-
当所の顧客である中国のある中小企業は日本で実用新案登録を保有していたが、日本の大企業に対して特許害警告を行い、これに対し大企業側は当該実用新案登録に対し無効審判を請求した。無効理由は「請求範囲の記載要件違反」(実用新案法5条6項1号等)である。
無効請求理由は、「請求範囲には構成のみが記載されており、どのようにすれば機能、作用
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中小零細企業と特許(知財)について
1.日本の産業構造と特許と出願の出願人とのギャップ
日本の産業構造は、全企業の99.7%の中小企業と残りの大企業とによりできております。
このようなピラミッド型の産業構造は日本の特徴といわれており、隣国の韓国や、燐隣国の中国とは全く異なる形態です。ドイツが同様の産業構造といわれております。
一方、全特許出願の90%以上は大企業であり、中小企業に関しては実用新案を含めてもなお非常に少ない出願件数で
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特許マップ(パテントマップ)の概要と意義
パテントマップ(特許マップ)の定義
パテントマップとは、経営者が新たな研究開発投資や技術導入を行う際には、『特許マップ(パテントマップ)』という特許の内容を持っているかどうかにかかっている。しかし、これまでの蓄積された特許情報は膨大です。そこでそれぞれの利用目的に応じて特許情報を収集・分析・加工・整理して視覚的に受け入れられるようにしていきます。こうして特許情報を整理・分析・加工して図面やグラフ、
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特許の請求の範囲と明細書の書き方
特許庁への申請の際に必要となる書面の種類
特許出願の際は、所定の書面を提出しなければならないと定められています。
これを「書面主義」と呼びます。
特許庁に、特許を申請する際の書面は下記の5種類です。
1.願書
2.明細書
3.特許請求の範囲
4.必要な図面
5.要約書
上記の1~5に記載しなければならない事項を下記に述べます。
「願書」には、①特許出願人の氏名、住所、②発明者
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特許の無効審判とは?無効審判の意味と申請の流れ
特許無効審判の意味について
特許無効審判の意味は、他者が取得した特許に対して異議を唱えて特許無効を求める手続きであり、そのためには明確な無効理由を特許庁へ提出する必要があります。
様々な事例が考えられるのですが、知らぬ間に他者から特許侵害を受けていることに気が付いた場合には、速やかに特許の無効審判手続きを取らないと多大な不利益につながってしまう可能性が高いとされております。ちなみに特許無効審判に
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特許出願・特許申請で必ず注意しなければならないポイント
いかなるものでも特許がとれるというわけではない
ふと思い浮かんだ何気ないアイディアが今、あなたの中にあったとします。
しかし、それをそのまま特許出願して即座に特許を得ることが出来るのかと言えば、恐らくそれはNOです。
特許に関する法律として、我が国には特許法というものが存在しますが、この法に照らし合わせて考えると、いかなるものでも特許がとれるというわけではないという事実が如実に浮かび上がってきま
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