特許マップ(パテントマップ)の概要と意義
パテントマップ(特許マップ)の定義
パテントマップとは、経営者が新たな研究開発投資や技術導入を行う際には、『特許マップ(パテントマップ)』という特許の内容を持っているかどうかにかかっている。しかし、これまでの蓄積された特許情報は膨大です。そこでそれぞれの利用目的に応じて特許情報を収集・分析・加工・整理して視覚的に受け入れられるようにしていきます。こうして特許情報を整理・分析・加工して図面やグラフ、表などで表したものが、「特許マップ」というものとされています。
解りやすく言い換えれば、特許情報を分析してビジュアル化で解りやすくしたものを一般的にパテントマップといっています。
パテントマップの3つの要素(特許情報・調査、整理、分析)
パテントマップを構成している必須3要素といわれるものは、「特許情報」「調査・整理・分析」「視覚化・ビジュアル化」になります。
「特許情報」は、技術情報としての側面と権利情報としての側面の2つの側面を現しています。
パテントマップを作ろうとする際、技術情報としてのパテントマップなのか?あるいは権利情報としてのパテントマップなのか?という2つの内、どちらかであるということをしっかり把握する必要があります。
2点目の調査・整理・分析は、3要素の中で最も重要な点です。これは、パテントマップ作成目的において調査のやり方や調査結果の整理の仕方が異なってくるからです。特にある技術の特許出願動向を知りたいときに様々な視点から特許公報を読み込んで分析・整理をしっかりする必要があります。
この2点目はパテントマップ作成の重要なポイントとなります。
パテントマップの3つの要素(視覚化・ビジュアル化)
この視覚化・ビジュアル化は、パテントマップを誰に、いかに解りやすく見せるか?ということが重要なポイントになってきます。
経営者かエンジニアに見せるのか?あるいは投資家に見せるのか?などでパテントマップの作り方も異なってきます。経営者や投資家に見せる場合は、特許情報の細部を視覚化するより、特許出願件数の推移や、自社やライバル社との競合の推移をマクロ視点で作成するのが望ましいです。それとは違ってエンジニアに見せる場合は、より細やかに技術情報をあぶり出せるように視覚化・ビジュアル化を行うのが望ましいです。
巷では、単なる統計グラフをパテントマップと呼んでいる場合もあります。
パテントマップ作成のポイントについて
パテントマップをただ単に作ればいいのではなく、特許情報を解りやすく見るための一つの方法です。見やすくするためには、2点目の調査・分析・加工をしっかりと行うことが大事になってきます。
パテントマップは、特に決まった形式はありません。目的に応じてパテントマップも変わってきます。その為、誰に見せるのか?どういう目的で特許情報分析結果を提示したいのか?目的や対象を明確にすることが必要です。
著者
所長弁理士 木村高明
所長弁理士
専門分野:知財保護による中小企業(SMEs)支援。特に、内外での権利取得、紛争事件解決に長年のキャリア。
製造会社勤務の後、知財業界に転じ弁理士登録(登録番号8902)。小規模事務所、中規模事務所にて大企業の特許権利化にまい進し2002年に独立。2012年に事務所名称を「依頼人に至誠を尽くす」べく「至誠国際特許事務所」に変更。「知財保護による中小企業・個人支援」を事業理念として現在に至る。事務所勤務時には外国業務担当パートナー。日本弁理士会・国際活動センター元副センター長。国際会議への出席多数。
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